甲子園が割れた日

甲子園が割れた日

ロンドン旅行・番外篇。

いつも機内で読む本を空港で買うのだが、今回は迷わず一瞬でコレをセレクト。少し前のNumber834号を読んでいた(コチラ)というのもあったし、今年の夏は明徳と星陵が揃って出場していたのもあったし、何を隠そう一番最初に蔦谷書店で目に入ってきたからだ。

1992年の夏の甲子園での出来事(事件と言った方がいいかもしれないが)。

当事者の明徳・馬渕と星陵・山下、松井や河野(20球ボールを投げ続けた明徳のピッチャー)他多数にインタヴューを行い、丹念に軌跡を追ったノンフィクション。松井の後を打っていた5番バッターの月岩にもインタヴューを行っている。

勝負に徹し『策』を敢行した馬渕と、『勝負してくれ』と甘え、無策だった山下。山下に救いは無いが、時が経ったからか星陵の選手達がクールに『明徳が上だった、負けた原因は自分達に実力が無かったから』と語っていることは救いだった。

馬渕は、『あの作戦を否定することは、自分の人生、生き様を否定することになるからね。それはできん』といいながらも、『昔に戻れるんなら、やらずに済むんだったら、やらなければよかったって。それ、正直な気持ちですよ』と答えていた。

『5連続敬遠』が世間を揺るがせ、騒がせた、『甲子園』という国民的イベントのとてつもない大きさ(良くも悪くも)が覗えた。軟式野球の全国大会で『5連続敬遠』したって、誰も何も騒がないもんなぁ。

そう思うと、最近の甲子園は退屈だ。

無責任にも、『ドカベン』に出てきそうな、あるいは出てきたような策なり怪物なりが現れることを期待したいもんだゼと思い、高校生らしくっていう金科玉条はホント胡散臭せーなぁ~と改めて感じ、静かにページを閉じた。

機内では、あと1時間程度でドーハに降り立つというアナウンスが流れていた。

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