パス・フットボールの矜持

グアルディオラ

2013-2014・チャンピオンズリーグ・セミファイナル・ファーストレグ、レアル・マドリードVSバイエルン・ミュンヘン@サンティアゴ・ベルナベウ。

繋げど繋げどネットを揺らすことは叶わなかった。前半のボールポゼッション率は70%を超えたが、ゴールに直結するあるいは直結しそうなシーンは皆無だった。世界最高のバルサを築いた『賢人』のメソッドを、ドイツ風にアレンジし(両ウイングと両サイドバックの関係、9番のターゲットマンであるマンジュキッチ)次代のパス・フットボールを構築中のバイエルン・ミュンヘン。

マドリーの自陣に引いてカウンターを仕掛ける展開は、過去の対ペップ・バルサと同様に、デジャヴのようだった。

今のバルサが失った前線からのプレスは効いていたが、全くスペースが無かったエリア内でダイレクトプレイが無かったかもしれない。右のロッベンはいつも通りだったが、左のリベリーが不調だったかもしれない。コーナーキックは取れどマンジュキッチへのクロスは正確性を欠いていた。

弱点の2枚のセントラル。マドリーのカウンターに対してスピードに劣るウィークポイントを突かれ、ベンゼマにネットを揺らされた前半。ロナウドにもフリーの決定機が訪れたが、あろうことかバロンドーラーはバーの上に大きく吹かしてくれて首の皮が繋がった。

後半も状況は変わらない。

マドリーにネットを揺らされる雰囲気は無かったが、貴重なアウェイゴールの匂いは漂わなかった。苛立つ『賢人』。終了間際に途中出場のゲッツェにビッグチャンスが偶発的に訪れたが、エリア中央やや右から天才が放った強烈な一撃は『聖』イケルに難なくストップされてファーストレグの幕が降りた。

“バルサ・ワクチン”が効いていたマドリー。ボールを持たして強烈な一撃を見舞う。『賢人』はゲーム後、

『レアル・マドリーはスピードがあり、カウンターにかけては世界一だ。それに対し、バイエルンはポゼッションで試合をコントロールしようとした。足りなかったのは得点だけだ』と悔しさを滲ませた。

そして、自身が信じて疑わないボールポゼッション、パス・フットボールには揺るがない矜持をこう述べた。

『ひとつ重要なことがある。ボールというのは、縦に急げば急ぐほど、跳ね返ってくるスピードも速くなるんだ。つまり縦に急ぐ攻撃をすれば、カウンターを受けるリスクも高まってしまう。そんな展開では、マドリーは我々より優れている。彼らの強みはカウンターなんだ。ミュンヘンでもマドリーは自陣に引いて、カウンターを仕掛けてくるだろう。前半マドリーは3本もパスを繋げなかった。ボールを持てなかった。信じないかもしれないが、試合を支配したチームを私は誇りに思っている』

アドヴァンテージ、マドリー。

セカンドレグはホーム、アリアンツ。『ミュンヘンでもマドリーは引いてカウンターを仕掛けてくる』と語った『賢人』の言葉を借りるまでもなく、よりソリッドに鍵を掛けてくるだろう。

自身が信じるパス・フットボールが正しいと世界に示すことが出来るだろうか。一つの答えが1週間後に明らかになる。

 

ベンゼマ

ベンゼマ

コエントランのクロスに、秀逸な走り出しとフィニッシュで応えたベンゼマ。貴重なゴールでまずはリード。

 

ゲッツェ

コースが甘く、難なくセーブされたゲッツェの一撃。

決まっていればだが・・・。

 

カシージャス

『特に難しくはなかったよ』

やはり世界一のポルテーロはカシージャスかな。

セカンドレグも刮目です。

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