時代は変わる

敦賀気比

第87回選抜高校野球決勝の組み合せは、敦賀気比(福井)対東海大四(北海道)。

ここまで、奈良大付(3-0)、仙台育英(2-1)、静岡(4-3)、大阪桐蔭(11-0)を破って決勝まで勝ち進んだ敦賀気比。一方の東海大四は、豊橋工(3-0)、松山東(3-2)、健大高崎(1-0)、浦和学院(3-1)に競り勝ってきた。

前評判は敦賀気比。下して来た相手からも、プロ注目の平沼くんもいるのだ。しかし、東海大四は健大高崎戦でも浦和学院戦でもそうであったように、このゲームでもアンダードッグな感じは微塵もなかった。むしろ押し気味にゲームを進めていたし、チャンスの数でも上回っていた。そして、ポイントとなった8回がやってきた。

8回の表、東海大四の攻撃。2塁打と相手のバント処理のミスが重なり、ノーアウト3塁2塁のビッグチャンス。エース大沢くんのデキと敦賀気比のこの日の空模様のような湿った打撃では、この回に2点取れれば紫紺の優勝旗は本州を越えていたと思う。

しかし、スクイズを外され3塁ランナーが憤死し、その後バッターは三振し、次の打者は快音を残したがファーストのファインプレイにあってこの回をゼロで終えてしまい、嫌な感じがした。

8回の裏の敦賀気比は、4番の平沼くんがフォアボール。5番が送って1アウト2塁。そして昨日の大阪桐蔭戦で2打席連続で満塁ホームランという凄まじい記録を打ち立てた17番を背負う松本くんがバッターボックスに入った。

 

松本くん

松本くん

結果論ではなく、僕はこの試合をライブで観ていて絶対打つと思ったし、後輩に『これ、絶対打つわ』とLINEをしていた。そして松本くんは、甘く入ってきたスライダー(だったと思う)をレフトのポール際に豪快に持っていった。

打った瞬間、ソレと分かる1発だった。

本人曰く『昨日の2本よりも完璧な当たりだった』ソレは、福井県に初めて優勝旗を齎す値千金の1発となった。

1大会3本塁打という史上10人目の記録を達成した背番号17の、それほど大きくない6番バッターが残した強烈なインパクトは、最近の高校野球を象徴しているように思う。プロが注目する選手ではなく伏兵が勝負を決める高校野球も悪くない。雪国のハンデはもうソコにはなく、どこでも優勝できる時代になったのだ。

敦賀気比高校、ホントおめでとう。個人的には仙台育英戦が白眉だったと思うが、大阪桐蔭相手に昨夏の雪辱を果たした一戦は圧倒的だった。

グランドに

チームメイトの

笑顔あり 

夢を追いかけ 

命輝く

大会初日に選手宣誓をした敦賀気比のキャプテン篠原くん。選手宣誓をしたチームが優勝するのを僕は初めて観た気がする(実際は第68回大会の鹿児島実以来19年ぶり4度目だそうです)。

ここでも、時代は変わるんだな。

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