ファイナルだぜ

クロップ

『嬉しくてしょうがない』

フットボールも人生も楽しんだモン勝ちだ。

2015-2016・ヨーロッパリーグ・セミファイナル・セカンドレグ、リヴァプールVSビジャレアル@アンフィールド。

勝負のアヤはキックオフ直後の10分間でした。最初の5分間にビジャレアルが2度決定機を迎え、レッズはフワッとしてましたかね。それでも失点せずに済み、その直後の7分にクラインの右からのクロスをキーパーが弾いて左のフィルミーノの所にボールが流れ、フィルミーノが更に折り返したボールはスタリッジには合いませんでしたがブルーノに当たってネットを揺らすことに成功しました。

先制したレッズ。その後もアクセルを緩めることなく、マルセリーノ曰く『規格外のインテンシティ』を見せてゴールに迫ります。最後の精度を欠いて前半のうちにアグリゲート・スコアで逆転することはできませんでしたが、アウェイゴールを恐れずガンガン前へ行く姿勢は観ていてとても気持ちのイイものでした。

そして、そのヘヴィ・メタル・フットボールは63分に結実しました。ビジャレアルのラインの押上げとすれ違うようにしてフィルミーノのパスがスタリッジに通り、スタリッジはクールにキーパーの股を狙って、ボールはキーパーの身体に当たってましたが右ポストで跳ね返りゴールラインを越えていきました。

アグリゲート・スコア2-1。

これで延長はなくなりノックアウトさせるかするかのみとなりました。普通はここでけっこう守備的になると思いますが、アクセルを緩めることなく機を見てはガンガン攻め上がるレッズ。CKの跳ね返りを拾ってからのカウンターには6人が相手陣にスプリントするというまさに規格外のインテンシティを見せてビジャレアルの心を折に掛かります。最高にゴキゲンです。ヨーロッパのトップに登り詰めかけたドルトムント時代を彷彿とさせるユルゲン・クロップ魂は、マージーサイドでも遺憾なく発揮されてますね。

そして美しいフィナーレが81分に訪れました。

左サイドを縦に蹂躙したフィルミーノの折り返しから、スタリッジはヒットさせることができませんでしたが、その溢れ球を前方にいたララーナが足首で上手く合わせゴールに流し込みゴキゲンなセミファイナルに幕を下ろしました。

アグリゲート・スコア3-1。

3つとも美しいゴールではありませんでしたが、レッズをファイナルへ導くには十分な魂の籠ったゴールでした。レッズ・サポは誇りを感じていることでしょう。90分間全てを忘れゲームに没頭できる素晴らしいフットボールだったと思います。

レッズサポを羨ましく思った金曜の朝。

心揺さぶられる朝となりました。

 

オウンゴール

1点目。

 

スタリッジ

2点目。

 

ララーナ

3点目。

 

クロップ

グレイト・ゲーム!

『パワー、パフォーマンス、準備の姿勢、モチベーション、感情・・・すべてが優れていた。我々は5万、6万、7万いや10万人のリヴァプールの人を連れてバーゼルへ行く。スタジアムではなく街にね。再び雰囲気をつくり、またベストを出したい。みんなに相応しい結果だ。私は本当に嬉しくてたまらないよ』

とコメントした愛すべきユルゲン・クロップ。

『全力を尽くしたが、プレーのいくつかの局面で相手の方が上回っていた。彼らを祝福したいと思う。リヴァプールのインテンシティは規格外だったよ』

と語ったのは背中姿が物悲しいマルセリーノ・トラル。テクニック溢れるビジャレアルでしたが、レッズの奏でるヘヴィ・メタルに呑み込まれてしまいましたかね。

レッズの相手は3連覇を目論むアンダルシアの雄セビージャ。クロップの喜怒哀楽とともにELファイナルを存分に楽しみたいと思います。

マン・シティに落胆

ベイル

ベイル

ベイル

走らないマン・シティ、当然のゴー・ホーム。付き合うマドリー、ラッキーでファイナルへ。ヨーロッパの頂点へ進むゲームとしては、明らかに凡戦だった。

2015-2016・チャンピオンズリーグ・セミファイナル・セカンドレグ、レアル・マドリードVSマンチェスター・シティ@サンティアゴ・ベルナベウ。

ガラス細工のヴァンサン・コンパニ。時代遅れのヤヤ・トゥレ。孤立無援のセルヒオ・アグエロ。ほぼ消えたケビン・デ・ブライネ。拙いクロス供給マシーンのヘスス・ナバス。攻撃のビルドアップが出来ないダブル・ボランチ。攻守がこんな内容では、勝てるゲームでも勝てない(引き分けには出来たハズだが)。ダビド・シルバ不在の影響だろうか、ネットを揺らす気配が皆無だった。加えて、ファイナルに行くんだというソリッドなインテンシティが見られなかった(少なくとも僕には)。マドリーは全然良くなかったというのに。これならパリが勝ち上がった試合を観たかった。図らずも、辛口ご意見番のロイ・キーンが言っていた『シティに信念がないのであれば、マドリッドに行く意味はない』を具現化してしまったのだ。

ゲームは、20分にベイルのシュート(グロスだったと思うけど)がフェルナンドに当たってコースが変わりそのままゴールに吸い込まれていった1点のみ(オフィシャル・スコアはOG)。両チームのサポーター以外はなんだかなぁな退屈なゲームだった。ライブ視聴していたのだが、眠気を振り払うのにホント苦労したゲームだった。

危惧してたとおりのマドリード・ダービー@サンシーロとなってしまったわけだが、シメオネがいる限り、このゲームのように退屈することはあるまい。

 

コンパニ

コンパニ、怪我しすぎ。ドリブルからパスを出した瞬間に右太腿が壊れた。

ヤヤ・トゥレはメッシのように走らず、メッシのような決定的な仕事もしなかった。

 

ペジェグリーニ

どうしようもなかったペジェグリーニ。辛酸を舐め尽くした地にカウンター・パンチを見舞うことは叶わなかった。

 

ロナウド

オイオイ(笑)。個人的最大の見せ場だったCR7のスラムダンク(笑)。ネットを揺らすことに懸ける貪欲さは間違いなく世界一だ。結局ゴールはなかったが、ファイナルへ行くんだという気迫を一番見せていたCR7。

 

デ・ブライネ

『まだ準備が出来ていなかった』では済まされないハズだ。

ペップはこのマン・シティをどう変えるだろう?。

パス・フットボールが敗れた日

グリーズマン

バイエルン

ゲーム自体は勝ったのだけれど・・・。

グリーズマンの一刺しに沈んだミュンヘン。

2015-2016・チャンピオンズリーグ・セミファイナル・セカンドレグ、バイエルン・ミュンヘンVSアトレティコ・マドリード@アリアンツ・アレーナ。

圧倒的だった前半。流れるようなパス。縦への楔もよく入ってアトレティコを自陣に釘付けにした。いつゴールになってもおかしくなかった。そして待望の先制点がFKから齎された。

 

シャビ・アロンソ

シャビ・アロンソ

31分。アラバが得たFKをシャビ・アロンソが低く抑えネットを揺らした(ヒメネスに当たってコースが変わった)。

アグリゲート・スコア1-1。あとはゴールを許さずにもう1点取るのみとなった。そして、勝負の分かれ目がその3分後にやってきた。

 

トーマス・ミュラー

34分。エリア内でハビ・マルティネスがヒメネスに掴まれ倒されペナルティ。キッカーはトーマス・ミュラー。しかし、オブラクに完璧にセーブされリードを広げることができなかった。

後半もミュンヘンのペースで始まったが、落とし穴が早々に待っていた。

 

グリーズマン

54分。攻め込んだミュンヘンに一瞬の隙。2枚のセントラルの間をトーレスとグリーズマンのコンビに破られ、グリーズマンはノイアーとの一対一をクールに制して1-1となった。両ラテラルが上がりっぱなしで2バックのようになっていたミュンヘン。最終ラインはセンター・サークル付近だったが、攻め込んだボールを跳ね返されてからのカウンターに沈んだ。

 

レヴァンドフスキ

与えてはいけないアウェイ・ゴール。あと2点必要となったミュンヘン。時間はまだたっぷりとあったが、世界一タフでソリッドなアトレティコの守備相手にあと2点は重すぎた。74分にサイドからの崩しでレヴァンドフスキがネットを揺らしたのはせめてもの矜持だろうか。アグリゲート・スコアで2-2としたが、痛いアウェイ・ゴールでファイナルのチケットはシメオネ・アトレティコが手にすることとなった。

 

ペップ・グアルディオラ

ミュンヘンでの3シーズンでとうとうCLファイナルの舞台に立つことが叶わなかったペップ・グアルディオラ。喫してはいけないカウンターからの失点に何を思うだろう?。完璧なパス・フットボールを見せた前半。トーマス・ミュラーがPKを決めていれば賞賛されただろうが、フットボールにイフはない。

 

グリーズマン

アトレティコ

シメオネ

バルサに続いてミュンヘンを沈めたシメオネ・アトレティコ。パス・フットボール信奉者の僕としては悔しいが、お見事というほかない。パス・フットボールはこう対処するというレッスンを全世界に知らしめて、2度目のファイナルに到達した。

果たして2シーズン前の雪辱はなるだろうか。相手はマドリーかマン・シティ。ファイナルでマドリード・ダービーを観るのはこの上なく嫌なんだけれど・・・。