マラカナンの歓喜

サポーター

確固たるインテンシティ、ソリッドなハイプレスにシャープなショートカウンター。

全体的に重かった(セミファイナルから中二日)スペインにはこの上なくキツく、恐ろしく効いていた。予想通りとはいえ攻守に(特に守備で)勝り、勝者に相応しいフットボールを披露したセレソン。中央のフレッジは時に泥臭く、時には一流のハンターのようにネットを揺らした。左の若きクラックはアルベロアを子供扱いし、バルセロナの僚友となるピケを意図も簡単に凌駕し、ハルクはアルバを自陣に釘付けにした。ルイス・グスタボとパウリーニョはバイタルエリアの扉に鍵をしっかり掛け、屈強な2枚のセントラルは世界最高であることを世界に示した。

スペインサイドに立ってみれば開始早々の失点があまりにも緩過ぎた。このクラスでも起こりえることを再認識させた(何も日本だけではないのだ)開始早々のツケは、ここまで5年君臨してきた王者がフラッグを失うに充分過ぎた。

明らかに違うコンディションとホームであることの有利さ。

勝敗を分けるには少し切ないが、セレソンはスタジアムを埋め尽くしたサポーター達の声援とともに躍動し、スペインは攻撃の糸口を見出せなかった。

それでも王者は、トーレスが溜めたボールを一瞬のスキを衝いて抜け出したマタが受けて、右サイドを駆け上がってきたペドロで決定機を作った。ペドロの放ったシュートはゴールライン手前でダビド・ルイスに阻まれ最初で最後の貴重なビッグチャンスをモノにすることが出来なかった。

エアポケットに落ちたかに見えたセレソンだったが、一瞬の気の緩みも見せることが許されないことを再認識したであろう。そして、歓喜が前半終了間際に訪れることとなる。

44分。中央のオスカルのパスをオフサイドラインを掻い潜ったネイマールが左サイドを抜け出し、豪快にニア上に蹴り込み『聖』イケルの壁を突破しネットを揺らした。ここまでネイマールに蹂躙されていたアルベロアは全く役に立たず、セレソンで唯一不調だったオスカルに決定的なパスを出されるアイロニーで王者は王者のイスから滑り落ちた。

2-0。

今日のスペインではノーチャンスだ。攻めのカタチが皆無でアタッキングサードへの効果的な攻めはイニエスタの個人技のみ。ミュンヘンで苦汁を舐めたバルセロナと全く同じ(バルサのプレイヤーが主体だし)状況がここマラカナンでも白日の下に晒されされることとなった。

後半、イエローカードを1枚もらいファウルも出来ず、もともと攻撃の能力が極端に低いのでピッチに立つ必要が無くなってしましったアルベロアをアスピリクエタに代えたデルボスケ。チェルシーの1.5軍は、少しは高い位置を取ることに成功するのみで、逆に早々にフィナーレとなる3失点目を許してしまうハメに世界は落胆してしまう。

ラモスが外してしまったペナルティもピケがネイマールを止められず貰う1発レッドもファナイルを退屈にさせない演出になってしまい、今シーズンのチャンピオンズリーグ・ファイナルのような世界が望んだスペクタクルは、ついに拝めずに幕を閉じることとなった。

セレソンが見せたハイプレス&ショートカウンターにスペインは成す術がなかった。

ヨーロッパで躍進したドルトムントもまさにコレだ。ドルトムントよりも威力がある前線を擁するセレソンなら尚更有効だろう。バルセロナが失墜しスペインが王者でなくなった事実は一つの終わりを告げた。

歓喜に染まったマラカナン。

バルサはネイマールというオプションを答えに、スペインはどのような答えをだすだろう?

次のシーズンは、またすぐにやってくる。

 

セレソン

母国で結果を出したセレソンですが本番でもそう上手くかは分かりません。

負け惜しみ・・・。

 

ペドロ

ルイス

コレが決まっていても敗れていたと思いますがゲームは盛り上がったハズです。

ジュリオ・セザールを抜いて枠にも飛んでいたペドロの一撃を、ダビド・ルイスが起死回生のブロック。その後すぐにネイマールの一発が飛び出しただけにスペイン的には悔やまれますね。

 

ネイマール

CR7のような強烈な一撃を左脚で放ったネイマール。

大会MVPに相応しい毎試合の活躍でした。メッシとのコラボ、バルサの新しいオプションに期待が否応なしに高まりました。

 

バルサ

まだ終わっていないハズです。トーレスではない新しい答えを見つけ必ずや。

Volveremos Volveremos a ser el campeon!!

采配の妙

カシージャス

2人の知将による素晴らしいチェスマッチ。

コンフェデレーションズカップ・セミファイナル、スペインVSイタリア@ゴヴェルナドール・プラーシド・カステロ(フォルタレーザ)

勝者に相応しかったのはイタリアだった。スリーバックを採用しスペインを上回る決定機を作り、イニエスタとアルバの攻撃オプションを無力化していた。

思えば昨年のEURO2012のグループステージでもスペインと互角のゲームを演じ(ファイナルではコンディションの差で0-4で完敗)、魅力溢れる攻撃的なフットボールを世界に披露し、カテナチオは遠い昔となったアッズーリ。

惜しむらくは、決定機で決めることが叶わなかったことだろう。バロテッリの不在も響いたかもしれない。スペインを完全に沈黙(トーレスの個人技のみが唯一のチャンスだった)させたが、スコアレスで前半を終えた。

スペインは4-1-2-3の布陣を敷いていたが、シルバが全く精彩を欠き、ワイドに開き効果的に右サイドを攻めあがるマッジョに手を焼いていたアルバは、攻撃参加の機会を失っていた。

後半、アクシデント(?)の為か、先に動いたのもプランデッリ。スリーバックの一角のバルザーリを下げて、驚くことにモントリーボを投入。デ・ロッシを3枚の中央に下げ、ボヌッチを右にスライドさせた。デ・ロッシは攻めでも効果的な働きを見せていた前半だったが、近代フットボールでは死滅してしまったリベロ的な役割を担う格好で、前のピルロとモントリーボへボールを供給できるようにトランスフォームした。

一方のスペイン。後半、メンバーチェンジはなく始まったが、消えていたシルバの見切りを早々に付けたデルボスケ。ヘスス・ナバスを右に入れて、バルサスタイルから縦への突破でイタリアラインを下げさせることに舵を切る。酷暑で足が止まるであろうイタリアにとってはかなり効果的な一手だった。お蔭で右サイドでキエッリーニは徐々に疲弊し、ピボーテのピルロやモントリーボが守備に忙殺されることとなり攻めへの活力を失うこととなる。

しかし、ズルズルと時間だけが過ぎ効果的な攻撃が見出せない両者。スペインにはメッシは居ない。天才イニエスタが素晴らしい個人技を披露し局面の打開を試みてはいたが、疲労のせいかシュートの精度を欠いてネットを揺らすことが出来なかった。

デルボスケは前線のペドロをマタに、プランデッリはマルキージオをアイクラーニ(どうでもいいがアイクラーニの奥さんは美人過ぎる・・・)に代えるもゲームは動かない。終了間際にピケに決定機が訪れるが、渾身の力を振り絞って身体を投げ出すアッズーリの魂のディフェンスに、バルセロナまで届かせるが如く大きくフカしてしまいゴールネットを揺らすとこは叶わず、エクストララウンドへと死闘は続くこととなった。

最後も先に動いたのはプランデッリ。前線で頑張っていたジラルディーノに代えてジョビンコを投入し一撃に期待を賭けた。スペインの爺様はここでは様子見。最初にイタリアに決定機が訪れたが、ジャッケリーニの一撃はポストを叩き歓喜は訪れなかった。

これを機にデルボスケが最後の、あまりにもエキセントリックな一手を放つ。正直、『それはねェーよ』と極東の片隅で喚いてしまったが、コレがあまりにも効果的で驚きを禁じえなかった。

ここまで、あまり(とういうか一度しかなかったが・・・)決定機を作れなかった坊主頭のイケメンに代えてハビ・マルティネスを投入したデルボスケ。もう失点しないことが前提なのか?、『ビジャだろ、ソコは・・・』、無知蒙昧な極東の素人の考えをヨソに、そのまま9番の位置にバイエルンのピボーテを配したのである。この190㌢の長身ミッドフィルダーが前線で効果的に動き、ボールをキープし、イニエスタとのパス交換でチャンスを築こうと奮戦した。

シャビの無回転ミドルがブッフォンに弾かれポストを叩き、右サイド深くをナバスが抉る等ゴールの香りが漂い、劇的なスペイン勝利のフィナーレの予感も感じたがとうとう両者ネットを揺らせず、120分の死闘を終えてフットボール・ロシアン・ルーレットでファイナル進出へのチケットを争うこととなった。

ここで詳細は記さないが、7人目にイタリアはボヌッチが右上にフカしてしまい、スペインはナバスがそのプレイスタイル同様、勢い良く左下隅に蹴り込み(あの勢い、ボールスピードではブッフォンはノーチャンスだった)死闘に終止符を打った。

負けない“ラ・ロハ”。

そしてファイナルは、世界が望む現王者と元王者(ウルグアイを2-1で下したセレソン)との久しぶりのビッグ・マッチとなった。セレソン的には“マラカナンの悲劇”を拭い去るにはまたとない相手。

世界が感嘆するスペクタクルにならんことを願うだけである。

 

ナバス

ラ・ロハ

みんなキックが上手いです。

全くハズす感じがありませんでしたね。イタリア1人目のカンドレーバに“クッキアイオ”で決められましたが、シャビが返す刀を冷静に右隅にブッフォンの逆を取って沈め流れを戻しました。

 

カシージャス&ブッフォン

カシージャス&ブッフォン

健闘を讃えあう両カピタン守護神。

『聖』イケルは覇気がないような印象をい受けましたが、勝ち切りファイナルへ。しかし、延長戦でも決着が付かないゲームをライブ観戦していては遅刻してしまいますね~。

トホホ・・・(笑)。

ナイジェリアを軽く一蹴

イニエスタ

ナイジェリアは良かった。

独特のリズムと長い足、スピードとフィジカルの強さもスペインより上だ。しかし、キックオフ早々にジョルディ・アルバ(左サイドバック)にゴールに蹴り込まれグループステージ突破が厳しくなった。

どこぞの国と同じ。哀しい程に似ている。

スペインは酷暑もあってか、この試合はほぼ何もしていないと思う。それでも、アルバが決めて優位に事を運ぶ。後半半ばに途中出場したボーズ頭のイケメンがディフェンダーの裏からスルスルと飛び出して、左からのペドロのクロスをヘッドで合わせ2-0とし試合を決めた。追い付くチャンスを逃していたヤング・イーグルス。決定機で決めないから離される。

どこぞの国と同じ。哀しい程に似ている。

終了間際にまたもやアルバが、今度は単騎独走。キーパーをキックフェイントで出し抜き無人のゴールへ難なくボールを流し込み、世界王者はセミファイナルへと駒を進めた。

ブラジルもそうだが、世界のトップはゴールを決める術を数多く持っている。

フットボールはネットを揺らすためのゲームだ。そして、セミファイナルは欧州対決、南米対決と決まった。おそらくファイナルは現王者と元王者の対戦となるだろう。

どちらがゴールを多く決めるか?

僕は、セレソンが勝つのではないかと思っています。