決着

コスタ

コスタ2

『最初から最後まで試合をコントロールしたと思う』(ローラン・ブラン)は言い過ぎだと思うが・・・。

2015-2016・チャンピオンズリーグ・ベスト16・セカンドレグ、チェルシーVSパリ・サンジェルマン@スタンフォード・ブリッジ。

ファーストレグで貴重なアウェイ・ゴールを手にしていたチェルシーだったが、パリとの力の差は歴然としていた。(アウェイ・ゴールを許さず)1-0で勝利するのが現実的なプランだったブルーズ。しかし、左ラテラルに起用されたケネディの守備力は致命的だったし、2枚のセントラル(ケイヒルとイヴァノビッチ)も老朽化、アスピリクエタは左ラテラルが本職だ。脆い最終ライン。早過ぎた16分の失点は、(解説していた粕谷さんも懸念してた)その左サイドをズラタン王にイージーに攻められてのものだった。何故あれほどスペースを与えてしまったのか。何故あれほどフリーだったのか。

早過ぎるゲーム・プランの崩壊。それでも前へのインテンシティ、カウンターへの意欲は見てとれた。そしてそれは結実する。失点から11分が過ぎた27分。ペドロがセンターサークル付近でボールを引っ掛け、その隣に居たウィリアンがそのボールを拾って前へ進み、エリア手前でペドロとのワンツーから前方のジエゴ・コスタへボールを預け、エリア内に入るや否や野獣ジエゴ・コスタは完璧な切り返しからチアゴ・シウヴァのマークを半歩外し左足を振り抜いた。

その秀逸で美しい一撃はスタンフォード・ブリッジに歓喜を齎し、イケる雰囲気を作り出す。勝ち上がりにはあと2発必要だったにせよ、もう一発見舞うと振り出しに戻せるところまで早い時間帯で漕ぎ着け、カウンターの勢いとゴールへ向かうインテンシティが増した。しかしパリも老獪だった。力がある証左だが、前シーズンまで2シーズン連続でクォーターファイナルの舞台を経験している傭兵集団は、慌てずこのまま1-1で前半を終えた。

ニュートラルなフットボール・ファンにとって『とても面白い前半だった』と思う。

チェルシーの失点のシーンでは朝一から思わず大声で『(失点)早ぇーよ』と叫んでしまったが、ジエゴ・コスタのゴールで息を吹き返し、残り45分で2点を奪うことも可能に思えたし夢想してしまった(実際チャンスはあった)。しかし、その淡く儚い想いも60分までのモノだった。前線で気を吐いていた唯一の希望の野獣ジエゴ・コスタがピッチに座り込んでしまったのだ。ゴールの匂いを醸し出していた(実際にネットを揺らしもした)男の終焉は、即ちブルーズの終焉をも意味していた。アザールやアスピリクエタやウィリアンにもチャンスが無くは無かったが、ブルーズがネクスト・ラウンドへ進むには野獣が必要だった。そして実際の終焉が67分に訪れることとなった。

左サイドでのディ・マリアのマクスウェルへの横パスが中央へ流れたところをダイレクトで拾ったチアゴ・モッタがスペースに抜け出したディ・マリアへ出して、ディ・マリアが上げたクロスを中央へ走り込んできたズラタン王がダイレクトでネットを揺らし、このロンドン公演に文字通り終止符を打った。

ゲームはこのまま何事もなく終えて、アグリゲート・スコア2-4。今のチェルシーには残酷なまでの現在地。今シーズン当初の不調からは、よくバウンス・バックしてきたとは思う。しかし、戦えるコマがビッグクラブのソレでは無かった。プレミアをトップ4でフィニッシュすることも現実的には難しく(不可能だ)、昨シーズンのマン・ユナイテッド同様CLの舞台から離れることが確実となった物哀しいミッドウィークのロンドン。新しいマネージャー(コンテ?)と共に一年の雌伏でヨーロッパの舞台へカムバックすることは叶うだろうか。

(安くても)アザールを売り飛ばそう。老朽化したセントラルの入れ替えとトップクラスのFWも必要だ(コスタ一人では・・・)。リーガやブンデスとは違うタフなプレミアで、(マン・ユナイテッドを見ても分かるとおり)トップ4への返り咲きは簡単なことではない。一つの『決着』を見たこのホーム&アウェイで、一から出直しが必要なチェルシーの未来に幸があらんことを願わずにはいられない。

 

ラビオ

16分のラビオの先制点。

ズラタンのクロスは秀逸だったが、ケネディの守備が酷すぎたと思う。

 

コスタ11

コスタ1

27分の夢を繋いだ秀逸なコスタの切り返しからの一発。

1-1としてまだ分からない状況としたが、怪我による退場が痛すぎた。

 

イブラヒモビッチ

イブラヒモビッチ1

イブラヒモビッチ

リマッチに幕を降ろしたズラタン王、1G1Aの活躍でロンドンに爪痕を残す。

 

ベッカム

スタンフォード・ブリッジを訪れていたディビッド・ベッカムも満足したことだろう。

 

アザール

コンディションが上がらず、このゲームでも自ら負傷交代を申し出てまたまた男を下げたエデン・アザール。ハーフタイム時にディ・マリアとユニフォーム交換したこともスタンフォード・ブリッジのサポーターのカンに触った。

 

パリ

『今日は良いプレーができた。この先もハードワークを続けて自分たちのベストを尽くす。どこが僕たちの終わりになるのかは分からない。今は勝ち抜いたけれど満足はしていないから、これからも続けていけるさ』

と語ったズラタン王。

悲願のCL制覇は果たして。

一触即発

モウリーニョ

2015-2016・プレミアリーグ第14節、トットナムVSチェルシー@ホワイト・ハート・レーン。

更迭、解任報道もひと段落した感がある(僕はステージ4だと思っていたのだけれど)チェルシーとそのボス、ジョゼ・モウリーニョ。週末のスパーズとの一戦を観たのですが、なかなかにしてスリリングなシーンがダイレクトに写しだされて、ゲーム自体の退屈さを忘れさせてくれる一戦となりましたね。

その問題のシーンは、終了間際に起こりました。

 

ジエゴ・コスタ

まったくコンディションが上がってこない「太りすぎた野獣」ジエゴ・コスタですが、この日はベンチ・スタート。アザールのゼロトップで臨んだモウリーニョ。ゲームは、どちらも退屈なまでに決め手を欠いてズルズルとスコアレスのまま時間だけが過ぎていきました。

なかなか交代カードを切らないモウリーニョは、結局ジエゴ・コスタを使わずゲームを終えるのですが、それに不満しかない「野獣」がベンチに戻るや否やピンクのビブスを脱ぎ捨てモウリーニョに投げ付けたのでした。

恐ぇぇぇ(笑)。

まぁ、『使わねぇならアップさせんじゃねーよ』ってことなのですが、なかなかできることではありません。

ジエゴ・コスタ、恐るベシ。

 

モウリーニョ

当然の如くゲーム後に質問が飛びましたが、

『(コスタ)彼が私を傷つけたかったのなら、(投げるのは)ビブスではなかっただろう。私は彼と良い関係にある。問題はないよ』

とジョークで記者たちに乾いた笑いを提供したモウリーニョでした。

しかし、ロッカー・ルームではどうだったのだろう?、また腹の底ではどうだったのだろう?と思わずにはいられません。決定力のある9番が居たなら、今後一切プレイすることはないんじゃないかなぁ・・・と思わずにはいられません。

『(コスタは特権を手にしていると語ったモウリーニョ)ベンチに座ったのは最後だったからだ。キャプテンもイバノビッチもイングランド代表副主将のケイヒルも、セスクも、ペドロも、昨季の最優秀選手であるアザールも、オスカルも、全員がベンチに座った』

『だから、ジエゴは特権を手にしていたと思う。これまで彼をチームにとどめてきた(試合に出場していた)からね。そして今日は、こういう形でプレーするのがベストの戦略だと考えた。我々はその選択に満足している』

このゲームについては、

『こういうプレー(失点をしない?)をしていれば、これからの10試合を無敗で乗り切っても私は驚かないだろう。我々にとって望んだ結果ではない。だが、パフォーマンスは良かった』

と語り、

『我々は熱意をもって12月に臨めると思う。私は、12月末には我々が今と違う順位におり、近いうちにトップチームたちとの差を縮められると確信しているよ』

と強弁もしてくれました。

昨シーズンのトラウマがあったかどうかわかりませんが、退屈すぎるチェルシーはトップ4に辿り着くことはあるのでしょうか(無理にベットしています)。

リーグ戦は、残り3分の2を切ったところです。

914日ぶりの、まずは1冠

モウリーニョ

モウリーニョ

2014-2015・キャピタルワン・カップ、ファイナル、チェルシーVSトットナム@ウェンブリー・スタジアム。

“モウリーニョ・レッスン”。

1発勝負のファイナル。

やはり“スペシャル・ワン”は退屈なまでに“スペシャル・ワン”だった。

マティッチを欠く中盤にズマを起用する守備的プラン。元日に5発沈められた過ちを繰り返すはずもなく、守備的戦術で機を窺う。スパーズもまずまずのゲームの入りだったと思うが、如何せん守備的戦術に特化した“スペシャル・ワン”チェルシーの牙城を崩す術は抑えられ、エリクセンのFKがバーを叩いたくらい しか見せ場はなかった。

それでも前半をスコアレスで折り返せていればノーチャンスではなかっただろうが、セットプレイからの溢れ球を闘将ジョン・テリーがゴールに蹴り込み(ディフェンダーに当たってコースが変わった)ほぼ勝負が決したと思った。

そして、試合を殺すチェルシー。56分にセスクのパスをエリア内左で受けたジエゴ・コスタが縦へ侵入し振り抜いた左脚。こちらもディフェンダーに当たってゴールに吸い込まれ、チェルシーの勝利が確定した。

アザールのプレイは観ていてとても楽しいが、チェルシーのフットボールはツマラナイ(チェルシー・サポの皆さん、ゴメンナサイ)。

『モウリーニョは仕事をするためにやって来て、チームは実際にそれを成し遂げた。彼らは守らなければならないから守るのではなく、守ることが大好きで、楽しんでいるんだ』

『彼らは守るために生きている。毎回の試合でそれが分かる。だからこそ彼らは決勝戦を戦うたびに、ほとんどいつも勝つことができるんだ』

とティエリ・アンリはコメントしていたが、ヴェンゲルもペジェグリーニも“スペシャル・ワン”には敵わないのだから、これも致し方なしか。

『私の選手たちは、戦術的に見事だった。ファイナルには特定のコンセプトがある。もちろん、毎回決勝で勝つことはできないがね』

『我々に問題はなかった。その中で彼らは2、3のチャンスをつくっている。(クリスティアン・エリクセンの)FKはバーに当たったが、そのほかはうまくコントロールできていたと思う。カウンターで危険になるかもしれないと分かっていたが、決勝でやらなければいけないプレーをした』

と語った戦術の達人、ジョゼ・モウリーニョ。昨シーズンは無冠に終わったが、やはり2年目には完璧に仕事を遂行する。真のプロフェッショナルなのだ。

このままプレミアも手中に収めるだろう。マン・シティもガナーズも、ましてやロングボール・ユナイテッドも絶対に届かない。

ポチェッティーノやロジャーズ、クーマン等が奮闘はしているが、やはりマネーとヴァリュー、そして何かしらの非情さが足りないか。そういう意味では(紛れは多く観られるが)プレミアもリーガと変わらないのかもしれない。

兎にも角にも、今シーズンはジョゼ“ハッピー・ワン”モウリーニョのシーズンとなることが決まった週末だった。

 

テリー

チェルシー

見事に、フリーにテリーの元に溢れてきたなぁ。ゴールに捩じ込む気迫みたいなものがあったし、実際貴重な先制点となった。

 

コスタ

やはりシュートは撃つべきなんだなぁ。普通なら絶対入らないが、ディフェンダーに当たってネットに吸い込まれるもんなぁ。

やれやれ。

 

モウリーニョ

モウリーニョ

『私にとって重要なのは、少年の気持ちのままでいること。今回のファイナルの前、私は何年も昔に初めてファイナルに臨んだときと同じ気持ちでいた。その時と同じように勝利を喜べることが大事なんだ。52歳にして、子供の気持ちでいることがね』

ゲーム中にカメラにペットボトルの水を掛けてたもんなぁ。2-0で余裕があったからでしょうけど・・・。キャリア21個目のタイトルは、またまた(悔しいが)お見事と言わざるを得ないモウのオヤジらしい勝利だった 。

でもビッグイヤー含めてのトレブルは無いよ、絶対に(フットボールに絶対はないのだけれど・・・)。