8年ぶりの奇跡とクロップの眼鏡と様式美

クロップ

クロップ

俺たちは、決して諦めない。

This is Heavy Metal。

2015-2016・プレミアリーグ第23節、ノリッジ・シティVSリヴァプール@キャロウ・ロード。

解説していた川勝さんが締めの言葉に窮したゲームだったが、壮絶な殴り合いだったこのゲームは、95分にララーナが叩き付けてリヴァプールが5-4で勝ち点3を持ち帰ることに(けっして誉められないが)成功した。

バック4(それとセントラルMFか)が致命的なレッズ。フィルミーノのゴールで先制したにもかかわらず、前半だけで(どちらもいいゴールだったが)2発返されビハインドを背負う。後半もアルベルト・モレーノの愚かな突っ掛けでPKを献上し、3-1とされダメかと思った刹那の1分後に綺麗な右サイドからの崩しのゴールで1点返し、息を吹き返した。

ここからゲームはカオスへ突入。

クロップがララーナを投入し、ゲームはリヴァプールのペースとなる。ミルナーからララーナ、フィルミーノへとダイレクトで繋いだ同点ゴール(この試合6ゴール目)は奇跡的に美しかった。3-3に戻したリバプールは、相手ディフェンダーのバックパスをミルナーが掻っ攫い冷静にネットを揺らし、ついにスコアをひっくり返す。相手ディフェンダーの有り得ないミスをゴールに繋げ、これで勝ち点3を得たかに思えたリヴァプールだったが、このゴールは更なるカオスへの序章に過ぎなかった。

アディショナルタイム。ノリッジの単純な放り込みにバタバタする赤い壁。案の定、溢れ球を豪快に蹴り込まれクロップはただ茫然とするばかりだった。

しかし、諦めない。ホィッスルが吹かれるまで決して諦めない。アディショナルタイムはまだ3分ある。その思いと勢いがノリッジを飲み込み、途中出場で効いていたララーナがこのクレイジーな殴り合いに終止符を打った。

ふう。

バルサのゲーム前にライヴ視聴の前座ゲームだったが、バルサのゲームよりもちろんエキサイティングだった。

2008-2009シーズンのマン・シティ戦以来のアウェイでの2点ビハインドからの逆転勝利はポジティブだが、『セットプレイからの失点が多すぎる』レッズ。絶対に諦めないクロップ・リヴァプールの様式美は観ていてとてもエモーショナルだが、サヨナラゴールのセレブレーションで壊されたクロップの眼鏡と同様に、早急に作り直さなければならないだろう。

諦めないタフなハートに加えるものは、ソリッドでクレバーなディフェンダーだ。

でもそんなヤツはいない。

 

フィルミーノ

ララーナ

このゲームのMOM、フィルミーノとララーナ。

 

クロップ

眼鏡のないクロップはクロップじゃない。

『普段から(眼鏡を)もう1つ持っているが、見つけられなかった。眼鏡なしで眼鏡を探すのは本当に難しいね』

『初めてバイエルン・ミュンヘンに勝ったとき、ヌリ・シャヒンに眼鏡を壊された。今日はアダムにやられたね(ベンテケじゃね?)』

『我々は今日4失点した。一般的に見て良いことではない。セットプレーからの失点が多すぎる。それは本当に改善すべきだ。CKからの失点が特に多いが、今回はセカンドボールからだった。とにかく試合に勝つことができたね』

改善は果たして?。

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どつき合い

クロップ

クロップ

K)どうなん?、あれ。

W)・・・(苦笑)。

2015-2016・プレミアリーグ第21節、リヴァプールVSアーセナル@アンフィールド。

めっちゃオモロイ試合やった。

アタリのゲームやった。

10分のフィルミーノのゴールでどつき合いのゴングが鳴った。4分後にラムジーの同点弾。ダイアゴナルに入ってきたラムジーを捕まえきれず、ミニョレがショボすぎた(抜かれたらあかんニアをブチ抜かれた)。リバポはキーパーを替えなアカン。ハイボールの処理が致命的にヘタやし、なによりドンくさい。ミニョレのまんまやといつまでたっても安心でけへん。

でも、19分にまたフィルミーノがスゲェ一発を決めた。解説のバンドが、ボールの置き方が素晴らしいと言うとったけど、ホンマ凄い一発やった。

でもまた簡単に失点。CKからアッサリと。センターバックとキーパーがホンマあかん(サコとコロとミニョレ)。

その後にジルーのドフリーがあったけど、ボールをうまく捉えることが出来へんで助かったリバポ。前半終了間際には、三たびフィルミーノにもチャンスがあったけど、振り抜いた左足の一撃はクロスバーを掠め、枠の外へ。

『零コンマ数秒我慢できたら』ってバンドが言うてたけど、惜しいチャンスやった。

後半へ。

55分。エリア内中央でジルーが、おフランス・ターンからの綺麗な一発でアーセナルが2-3とした。正直リバポに、同点、逆転する力はあらへんと思った。実際、時間が経つにつれて疲弊し運動量が落ちた。それでも、クッロプに変わって一番変わったのが、諦めへんこと、信じること、か。

ベンテケ入れて、ロングボールから溢れ球を狙う戦術に切り換え、最後の最後でその狙いが当たった。ヴェンゲルの交代策も間違うてたけど、出来過ぎやと思う。

朝早う起きて(5時)観たかいがあったどつき合いの一戦。

ヘヴィ・メタルとクラッシックの邂逅は、両者痛み分け。リバポとしては、(先制したし)勝てた試合やったと思うけど、多すぎる怪我人のことを考えると、よお引き分けたんとちゃうかな。

クロップはやっぱええなぁ。

 

フィルミーノ

フィルミーノのコシェルニーの股を抜いての1点目。

 

ラムジー

ラムジーの1発で1-1に。

 

フィルミーノ

この日のハイライトの一つ、フィルミーノの2点目。

 

ミニョレ

やらんでええ失点で2-2に。

 

ジルー

この日のもうひとつのハイライト、オリヴィエ・ジルーの美しすぎる1発。

 

アレン

諦めない終了間際のアレンの同点弾。

 

クロップ

喜びを爆発させるクロップ。

 

エジル

ほとんど消えていた天才エジル(一度だけ凄いトラップを披露してくれた)。

 

ヴェンゲル

間違えたヴェンゲル。

 

リヴァプール

湿った雪が舞ったアンフィールドに、最後の最後まで諦めない熱気が確かに存在していた。

フットボーラーだって人間だもの

クロップ

クロップ

情熱的でユーモアがあって人情味溢れる指揮官のもと、信頼されて快適で結果が出てくれば自信も取り戻す。

2015-2016・プレミアリーグ第13節、マン・シティVSリヴァプール@エティハド・スタジアム。

『クラシコ』のあとに連続で録画視聴しましたが、ユルゲン・クロップは数多のマネージャーたちに無い何かを持っているのでしょう。『完璧にはほど遠いが、とても、とても良かった』と語ったように、まだまだ改善の余地(特にフィニッシュ)があるレッズでしたが、走る走る走る。

run and run、more run。

それもプレミア仕様に、ドルトムント時代よりメリハリが効いていたと思います。ネイマールとタメのコウチーニョが完全復活し、ララーナがガス欠せずにピッチを駆け回る。ミルナーに至っては、何かに取り憑かれたかのようなアップ&ダウン。正直、世界最高峰の華麗なフットボールではありませんが、観る者に訴えかけるエモーショナルに溢れていました。

そんなクロップ・レッズにフットボールの女神も微笑み、ラッキーなオウンゴールで先制(コウチーニョが必死戻ってディフェンスしボールを奪ってからのゴールだった)したこのゲーム。コウチーニョの秀逸な股抜きの一撃(フィルミーニョが必死に走って繋いだゴールだった)で加点し、オフサイドぎりぎりで3点目をゲット(チャンの秀逸なヒールに抜け出したコウチーニョのアシストからのゴールだった)した前半。終了間際にアグエロの美し過ぎるゴラッソで1点返されましたが、後半も泥臭く粘って(バックパスをスターリングに掻っ攫われアグエロにシュートを撃たれたが懸命に戻ってきて必死でスライディングしたりと)耐え凌ぎ、コーナーキックからの溢れ球を蹴り込みマンチェスターから勝ち点3を持って帰還しました。

(陳腐ですが)素晴らしいの一言。

スタンフォード・ブリッジに続きエティハドからも勝ち点3を持ち帰り、勝ち点を20としたレッズ。4位のガナーズとは勝ち点差6。3分の1が終わっただけのリーグ戦。もちろん、トップ4で終える可能性もあるし、過酷なマッチ・スケジュールだけに脱落していく可能性もありますが、観る者を熱くするゲームに、ニュートラルな僕でさえ期待せずにはいられません。

クロップが志向するヘヴィ・メタル・フットボールは、レッズにこれから何かを齎すでしょう。ロジャースが3年間掛けても成し得なかった、対トップ4のアウェイでの二つ目の勝ち点3を早くも成し遂げた愛すべきユルゲン・クロップ。

格上に滅法強いアンダー・ドッグの逆襲が痛快なユルゲン・クロップのフットボールから目が離せなくなってきました。

 

Manchester-City-vs-Liverpool

団結。

俺たちはテロに屈しない。

 

コウチーニョ

フィルミーノ

シュクルテル

ネットを揺らし始めたレッズ。

あとは引いて守る格下相手にどうするかです。

 

アグエロ

イニエスタのゴラッソに続いてアグエロの美しい一発も観れた日曜の幸せ。

フットボールって素晴らしい!!。

 

クロップ

『資金的には、誰もバイエルン・ミュンヘンに対抗することはできなかった。だがピッチ上ではもちろん対抗することもできた。それこそがフットボールに関して私の最も大好きなことだ。どれだけ出費するかが重要なわけではない。何をしたいかだけが重要なんだ』

『だから当然ながら我々もシティと戦うことができるし、もちろん倒すこともできる。ドルトムントでもシティに勝ったことはあるし、アウェーでは引き分けた。彼らの方が金は持っていたが、それは成功の一部でしかない。残りは努力することだ』

とゲーム前に秀逸なコメントをしていたユルゲン・クロップ。粕谷さんですら絶賛する愛すべきユルゲン・クロップ。

 

クロップ

ドルトムント時代に仕事する可能性があったデ・ブライネとゲーム前に談笑。

 

クロップ

ゲーム後には、必ずピッチに入って敵にはシェイク・ハンド、味方にはハグ。

人間味溢れるところも魅力的だ。