銀翼のイカロス

銀翼のイカロス

ザ・ダタイ・ランカウイ番外編。

毎回、空港の書店で旅の供を買って飛行機で読むのですが、今回のお供は半沢次長(あと2冊ほど購入しました)をセレクトしました。

お馴染み池井戸潤さんの半沢シリーズ最新作(第四作)です。いつものようにとても面白かったです。じっくり2〜3日かけて読もうかと考えていたのですが、ページを捲る手が止まりませんでした。

今作は、一通の遺書から幕が上がります。

半沢(まだ次長でした)に託される大手航空会社の再建。そして、それに伴う行内での引き継ぎから物語は進んで行きます。イケ好かない企業再生家の弁護士や面倒くさい新々気鋭のヒステリックオンナ国土交通大臣。そのバックに控える党の大物政治家と東京中央銀行(旧東京第一銀行系側)との闇。前任担当者の曾根崎をいつものように完膚なきまでに徹底的にやり込めて、大和田常務の後釜である紀本常務に対してもなんら怯むことなく正論を述べる半沢。そしてクライマックスの、大物政治家蓑部との対峙・・・。

全くブレない半沢は今作でももちろん健在で最高に渋いのですが、窮地に陥るシーンはなく(厳密に言えばあるのですが、何故か窮地に感じない)また“倍返し”(一度だけ文言がサラッと出てきたでしょうか)的なものもありません。

燃え滾る怒りの発露は、曾根崎というクソに対してのみで、あくまでもクールに徹底的に理路整然と敵(相手)に対峙します。

その辺りは前三作に比べて少し物足りない感じがしました。

物語後半の、半沢が新入社員時に世話になった富岡部長代理という新キャラと中野渡頭取のシーンが、流石にエンタメ過ぎるなぁとも思わないでもなかったですが、半沢が尊敬して止まない、日の当たる場所とそうでない場所を歩む一流のバンカー達と半沢とのシーンには、やはり心を揺さぶられます。

『最後に一緒に仕事できて—面白かったなあ、半沢よ』

『おもしろい、銀行員人生だったなあ。愉快に働かせてもらった』と語った富沢部長代理に対して、『オレも、いつか最後に、そういってみたいですよ』と答えた半沢。

かくしてまたひとり、勇者は消えゆき、後に伝説が残る。それを引き継ぐのがオレの使命だと半沢は誓う。半沢シリーズはもう少し続くと思わせるに充分な締め括りでした。

それとそうそう、愛之助さん・・・じゃなかった、黒崎金融庁担当検査官も登場し、半沢との対決シーンもありました。しかし何かが・・・(笑)。半沢と黒崎の因縁を知っている読者の方は、読んでもらえば分かると思います。

すべての働くひとに捧げられた、半沢シリーズ。

毎回、働くスタンスと矜持について考えざるを得ない、半沢シリーズ。

今作もやはりオススメです。

しかし、ダタイのプールサイドで読んでいたのですが、隣の人も読み出したのにはビックリしました(笑)。もうオススメするまでもなく、ベストセラーなんだなぁ〜。

ロスジェネの逆襲

ロスジェネの逆襲

仕事に行き詰るとコレ。何回目だろうか?

1年弱くらい前に刊行されたでしょうか、半沢シリーズ3作目。関連の證券会社に飛ばされた半沢の活躍を描く本書。

痛快です。

無能な上司にクソ親会社のクソ共や競争相手、ライバル社との手練手管の駆け引き。仕事のスキルとプライドが半端ない半沢部長は窮地に追い込まれてもブレません。

お見事。

『世の中を儚み、文句を言ったり腐してみたりする。でもそんなことは誰だってできる。いつの世にも、世の中に文句ばっかり言っている奴は大勢いるんだ。果たしてそれになんの意味がある』

『仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分だけのために仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく』

元気が出ますなぁ~。

現実逃避は全くもって無意味ですが、半沢のような上司に仕えたいし、なりたいものです。生きていく為に必要なマネー&ジョブ。間違っていないプライドを持って、より良い人生にしたいものですが、仕事が全く好きでないのをどうにかしないとなぁ~。

中間管理職の悲哀、哀れ社蓄@uemachi。

1・2作、『オレたちバブル入行組』、『オレたち花のバブル組』もオススメです。そしてどれから読んでも問題ないです。

世の社畜共よ、共に頑張ろうぜェ。